SLEEPER MARKET#1

みろ子

ニットデザイナー三國万里子さんの個展「編みものけものみち 三國万里子展」が福岡県の三菱地所アルティアムにて開催されます。
この展示の題字や展覧会に飾られる絵など、すばらしい作品を画家のミロコマチコさんが描かれました。
ふたりの出会いは『うれしいセーター』から。

 

-

-

奄美大島への移住

──    ミロコさん、ごぶさたしています!
ミロコ おひさしぶりですー!
──    東京から奄美大島に引っ越されて、
 どれくらい経ちますか?
ミロコ   一年半くらいですね。
   すっかり、故郷みたいな感じです。

──      東京に比べるとずいぶん生活が変わりそうですけど、
  そんなに馴染んでいるんですか。
ミロコ  はい、すごく楽しいですね。
   衣食住がしっかりしたなと思います。
──      基本的には奄美大島にいらっしゃるんですか?
ミロコ  だんだん出張も増えてきて、月の1/3は本州へ行っています。
  今度も、東京と関西へ行って、福岡で三國さんの展示に寄ってから
  奄美大島に帰ろうと思って。
──      ついでの距離ではないですね(笑)。
ミロコ  島にいると、本州はぜんぶついでになっちゃう(笑)。
──     それだけ出張が多いと、
  東京に居たほうが便利だなと思ってしまいそうですが。
ミロコ  便利かもしれないけれど、
  東京にいると、ずっと走り続けている気持ちになってしまいます。
  でも、戻るところが奄美だと、一息ついて自分に集中する時間が持てるので最高です。
  奄美の空気が恋しくなるんですよね。
──     ああ、空気は全然違いそうですよね。
  ロコさんが奄美に魅了されたのは、
  どんなところでしょうか。
ミロコ  自然が圧倒的なところです。こちらが
 「ちょっとだけ自然の中におじゃまさせてください」という感覚になる。
   奄美の人は海の間の小さな平地に密集して住んでいるんですね。
   Googleマップでみてもらうとわかるんですけど、
   他の島は、随分と畑になっていて、
  人間の手が入っているのとか見えるのだけど、
   奄美は森が生い茂っている。


「感じる」ことの大切さ

──     たしかに、原生林など豊かな自然が

  残っているイメージはあります。
ミロコ 昔から、山にはむやみに立ち入らないらしいです。
 ハブを異常に恐れていることもありますし、
 自然の尊さとか恐ろしさを
 感じ取っているのではないでしょうか。
──    なるほど。だから、
 自然を傷つけることはしないんですね。
ミロコ あと、いいなと思うのは、
 奄美の人はいろんなものがみえていて
感じる」ことを大事にしている。
それが、日常会話でふつうに話されているんです。
たとえば嵐が来ると「昨日海の中で龍を見た」とか、
道路にいた鳥は、亡くなった母だった」とか、
私が忘れてしまった感覚を持っています。
──     ほんとうにみえているんでしょうね。
だから、すんなりと会話も受け入れられる。
ミロコ  そうそう。
 その会話が、突拍子な感じじゃないんですよ。
 奄美の人たちにとっては当たり前のことなんだ
っていうことが、話しているとわかります。
──     そうなんですね。
ミロコ  人間には本来、
そういう感覚があったと思うんです。
でも、子どもの時にそういうことを言って、
大人に「そんなわけないでしょ」と
受け入れてもらえなかったりして、
次第にその感覚に蓋をしてしまうのかもしれない。
奄美の人は、
おじいちゃんになってもおばあちゃんになっても
龍をみた」っていう話をしているんですよ。
それを知ったときに、
いいなあ、絵を描くことって、
そういうのを感じることが大事だなあ」と思って。

描きたいものがすぐに見つかる。

──    ああ、ミロコさんの絵には必要なことだったんですね。
ミロコ   はい。それで、
   ここで暮らして絵を描きたいと思ったんです。
──      暮らしてみて、作品は変わりましたか?
ミロコ   すごく変わりました。
    東京に住んでいたころは、
  「描きたいものを感じとらなきゃ!」って
    探している感じだったんです。
    それはそれでおもしろかったんですけど、
    奄美大島にいると、感じざるを得なくて。
──       描きたいものがすぐに見つかる。
ミロコ   そうなんですよ。
     天気とか、1日でものすごく変わるんですね。
    そうすると、海も山も鳥も虫も魚も、
    世界が一変してしまう。
    なにもかもが留まっていなくて、
    変化し続ける様子をみていると、
    描きたくてうずうずしてきます。
    風がビューって吹くと、
    木が山ごとざわめいたり
    鳥が羽ばたいたり。
    気温が上がると、
    虫たちがゾワゾワって急に湧いてきたり。
──       物語の中に暮らしているようですね。
    予想もできない出来事がたくさん起こりそうです。
ミロコ   不思議なことがいっぱい起こりますよ。
   それが、とっても美しい。
   地球に対して感動することが
   多くなったなって思います。
──    はあー、
 地球に感動するってすてきです。
ミロコ  そしたらその感動を、
   絵に描きたい、表現したいと思うんです。
   どうしたらそれを表現できるのかわからなくて
   むずがゆいところもあるんですけど、
 「ああ、描きたい。描きたい」と
   思うことが増えましたね。
──     ヘトヘトにはならないですか?
  受け取るものが多いと、体力も使うじゃないですか。
ミロコ  あ、それはいまのところはないです。
   私の体が求めていたことなのかなって思います。
──     体が、いろんなことを感じたかったんですね。
ミロコ  そうだと思います。
   鳥の鳴き声や虫のざわめきや海の景色や、
  自然からたくさんのインスピレーションを
  もらっています。
──    ミロコさんはいつもエネルギーがありましたが、
奄美に行ってますますエネルギッシュになられてますね!
ミロコ  そうですかね。
  好きなことをやっているからかな?
  絵を仕事にできていることが幸せなので、
  今日も元気に生きられるのかもしれません

お探しの商品はお取り扱いがありません。